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イライラ怒りっぽくて困っています。

Q:ここのところ、イライラ怒りっぽくて困っています。1〜2年前から強くなって来ました。特に生理の前になると、自分でもコントロールが効かなくなって、別人のようになってしまいます。自分もヘンと思います。子供にも強く当たってしまい、一生懸命働いている旦那もあきれてしまっているみたいで、こんな事で離婚になったら困ります。こんなのに効く漢方があったら教えて下さい。(北橘村A子)


A:ここのところ、同じような患者さんが何人かおいでになっています。現代医学では神経科領域なのでしょう。ただ、患者さんの気持ちとしてはなかなか踏み出しにくいのが現状のようです。漢方では身体と精神は表と裏と考えています。五臓六腑の延長として五志(ごし)という考え方があってそれぞれ以下の様に考えています。肝火が上炎すると「急燥・易怒」(焦りやすく・怒りやすくなる)心火が亢進すると「心悸・心煩・不眠」(心拍が気になる・胸苦しい・不眠)脾気が虚になると「思慮過度・浅眠・多夢」(他人の思惑が気になる・熟睡しにくい・夢ばかり見る)肝・脾の病(やまい)が長引くと肺気を傷り心理的要素の強い喘息「気急」(咳き込み)。突然の状況の変化に強い驚きを感じると腎を傷り、「易怖・易驚」(ビクビク・オドオドしやすい、ちょっとしたことで気が動転しやすい)などの心理的影響を受けると考えています。さらに舌の表面に白いヌルヌルした「苔」が厚く付いているとめまいや気が重い症状が出ますが、長引いたりして黄色く変化すると怒りやすくなります。また、舌や唇の色が暗いと血の滞りがあり脳や心臓に問題を抱えていながら同時にイライラという形で表現されている場合もあります。

 肝の場合「加味逍遥散(かみしょうようさん)」心の場合「天王補心丹(てんおうほしんたん)」脾の場合「加味帰脾湯(かみきひとう)」肺の場合「百合固金湯(ひゃくごうこきんとう)」腎の場合「知柏地黄丸(ちばくじおうがん)」湿の場合「半夏寫心湯(はんげしゃしんとう)」血の場合「通導散(つうどうさん)」を勧めます。

 また、辛いものや脂の強いものを食べ過ぎないように気を付けて下さい。セロリや緑豆などはイライラを鎮めてくれます。コンピューターを使ったバーチャルアクションゲームなどは避けて、土いじり山登りなど自然なスピードで暮らすことが再発を防ぐ上で大切です。


糖尿病の予備軍だと言われました。

Q;3年前から、毎年市の定期検診で、糖尿病の予備軍だと言われています。親兄弟にはこの病気のものはいないので、食べすぎないように注意するように言われています。糖尿病にならないようにする漢方薬はありますか?(板倉町53才男性)


A;ここの所、糖尿病の患者さんが増えていて、いろいろな治療薬が開発されています。しかし、それらのほとんどは病気になっても日常生活を送れる様に「コントロール」するものです。保健福祉事務所などで指導しているように、「運動」「食事」「ストレス」のバランスが大事だろうと思います。

漢方でも、二千年以上前から現代医学で言う「糖尿病」に対応する記述があります。特に唐の時代には、「牛車による移動」「酒池肉林・牛飲馬食」「宦官によるストレス」で、大流行りだったといわれています。

漢方では、糖尿病的な体質を調整する事で、自己治癒力を高めるという考え方をしています。ベースとしては,「六味丸(ろくみがん)」として、目の疲れがある場合「肝腎陰虚」として「杞菊地黄丸」皮膚の乾き・喉の乾きがある場合「肺腎陰虚」として「八仙丸」冷え・腰の痛みがある場合は「腎陽不足」として「八味地黄丸」。前立腺肥大などの足のむくみがある場合は「水湿停滞」として「牛車腎気丸」ほてり・イライラがある場合には「陰虚火旺」として「知柏地黄丸」耳鳴り・難聴がある場合には「腎虚耳疾」として「左慈丸」不眠・焦燥のある場合には「心腎陰虚」として「天王補心丹」を勧めます。

さらに、血液循環が低下し血管が硬くなりやすく心臓や脳などの血行障害を起しやすくなるので、「冠元顆粒」などで血行改善を心がけておく事は大切な事だと思います。

他の疾患もそうですが、特に糖尿病は「諸悪の根源」と言われるくらいさまざまな合併症を併発して患者さんの命を奪うと言われています。必ず専門医への受診を勧めます。

いずれにしましても、あくまで、薬は手助けです。治す本人が日常生活をしっかり立て直していけば、楽しい一病息災の日々を必ず過ごせると確信しています。


突然恐怖感に襲われる様になって困っています。

Q:3年ほど前から、何の前触れもなく突然恐怖感に襲われる様になって困っています。思い返すと、その前に、引越しや親の葬式などあわただしいことが多かったように思います。初めはスーパーのレジに並んでいた時に、いてもたってもいられない不安な気持ちになって、家に走って帰ってきました。その後は、家にいるときでも主人が出張の前になると、動悸がして救急車のお世話になったこともあります。.病院に着くとお医者さんの顔を見る前に治ってしまいます。本を読んでみると「不安神経症」ではないかと思います。あちこちの医療機関を訪ねました。そして、何度か精神安定剤を出されて飲んでみましたが、眠くなるばかりでよくなる気配がないので、やめてしまっています。なにか良い漢方のお薬はありませんか?(熊谷 54才N子)


A:お手紙を拝見しますと、これからの人生に不安は持っていても、憂うつな感情はないようですね。また、食事の用意や洗濯など家族の手を借りながらもなんとかなされているご様子です。

これまで、ご縁が無かったようですが、必ず、お話を聞いてくださり、よく説明をしていただける先生はいらっしゃいますから、「県こころの健康センター」などに相談して下さい。

同じような悩みを抱えている患者さんが、しばしば漢方の分野にも相談においでになります。しかし、漢方だけで「治る」のでなく、そうなってしまった(漢方から見た)体質のゆがみを調える事は、治癒を手伝うだけと考えています。「治す」のは「治したい」という患者さんの決心と、心の任せられる専門のお医者さんと専門のカウンセラーと家族の支えだろうと思います。

漢方では、舌の先だけが赤く、いらいらや不安・緊張、ある程度の肩こり・不眠「加味逍遥散(かみしょうようさん)」を勧めます。舌の苔が剥がれてしまっていて、肩こりが強い場合「抑肝散(よくかんさん)」を勧めます。舌の苔が白く厚く頭痛やめまいが強い場合は「釣藤散(ちょうとうさん)」を勧めます。

「柴朴湯(さいぼくとう)」という処方も不安感や喉の塞がる不快感に効果があるといわれる処方ですが、舌の苔が厚い場合に使う処方なので、薄い場合や剥がれている場合に漫然と続けるべきでないと、中国の教育機関では教えています。

不眠を感じなくても、眠りが浅かったり、夢が多かったり、明け方に目が醒めてしまう人もいます。舌の色が濃い赤の場合「血虚内熱」として「酸棗仁湯(さんそうにんとう)」を、舌の色が淡く引き締まり方の弱い場合「心脾両虚」として「帰脾湯(きひとう)」を勧めます。

「清心蓮子飲(せいしんれんしいん)」という処方がありますが、日本では「頻尿」を治す薬として扱われています。中国の原典を見ますと「虚火上炎・心腎不交」といって、精神疲労が極まると焦燥感や不眠・口渇に併せて、熱を伴ったオリモノの他、熱を伴った頻尿・排尿痛もある場合がある、とされています。日本に一部の事しか伝えられなかった例と考えられます。

最後になりますが、医師からうつ傾向が伴わない不安神経症と診断をえたら、「生活の発見会」などの自助グループなどもありますから、医師と相談の上、参加する方法もあるかと思います。ホームページも開いています。

10年前に、潰瘍性大腸炎と診断を受けました。

Q:10年前に、潰瘍性大腸炎と診断を受けました。一日に10回以上腹痛を伴った下痢状の排便があり、その半分は血が混じり粘液が混ざっています。からだ全体が重だるく頭もスッキリしません。病院ではホルモン剤を処方してくれますが一進一退です。毎年夏になると1〜2ヶ月必ず入院します。漢方ではなにか方法はありませんか?(前橋 男性34才)


A:中国医学でいう「痢疾」の症候に属すると思われます。症状や経過は非常に多様性に富むとされています。

 「身土不二」という養生の言葉を聞いたことがあると思います。生活している四里四方でその時期に採れる者を食べなさいという言葉です。これに反して、私たちの食卓には風土の違う地方の、季節はずれの珍しい食材が並んでいます。テレビでは、補給すべき海外のサプリメントについての番組が話題を呼んでいます。この高温多湿の島国の中で暮らしている人には、味噌や納豆といった醗酵食が適しています。遊牧民の醗酵食は口の楽しみとして食べるべきものです。動物の脂や慣れない食べ物を摂り過ぎると、胃腸の排泄機能が間に合わなくなって「湿」という水のよどみが生れます。大腸はこれを出そうとして症状を起こします。このような形で発生する場合を「湿熱下注(しつねつかちゅう)」と言います。「黄連解毒湯(おうれんげどくとう)」「四苓散(しれいさん)」「啓脾湯(けいひとう)」を合わせます。

 漢方では、何事にも過ぎることを戒めます。文明が進むと頭で考えることが多くなり経験が少なくなります。「思い過ぎ」たり「怒り過ぎ」たりすると、「肝脾不和(かんぴふわ)」となって、下痢になります。「柴胡疎肝散(さいこそかんさん)」が日本にないので「開気丸(かいきがん)」を薦めます。

 病気が長引くと「腎(じん)」に影響が出ます。手足が冷えて時にはむくみ、少しの冷えも身体にこたえます。「黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)」「真武湯(しんぶとう)」を合わせます。

 出血や痛みに対しては、「田七(でんしち)」を合わせます。

 治すことが人生になってしまうと辛いものです。症状が治ったらやってみたいことに、少しずつチャレンジして自信をつけていくのも人生のような気がします。


疲れが回復せず、朝なかなか起きられません。

Q;私は夏ばてが秋まで続き、疲れやすく冬にはよく風邪を引きます。手のひらに汗をかいたり足の裏が熱く夜寝る時冷たい所を探しています。胸もモヤモヤ熱く気分も焦りがちになります。何度か病院で相談しましたが相手にされませんでした。市販のドリンクを飲んでも少し動けても、すぐへばってしまいます。漢方で治る方法はありますか?


A;砂漠の国から来た人が「ニホンノナツハクルシイデス」と言っていました。気温40度を越えても湿度が低く一定しているので、木陰や土壁の建物に入るとさわやかなのでしょう。日本の夏は、梅雨から秋の長雨まで高温多湿です。「焼けるような暑さ」でなく「うだるような暑さ」です。どうしても冷蔵庫から出したばかりの冷たい飲み物が欲しくなります。胃腸を冷やして、消化吸収代謝排泄がうまくゆかず、体がおもだるくべっとりした汗をかきます。胃腸が弱くなると温度差などに対する抵抗力が低下します。そこへクーラーの冷たい乾いた風がくると、皮膚表面が冷やされて夏かぜを引きます。毎日忙しく身体も気持ちも休む閑がないと、からだの中の「津液」という潤い力が低下します。そうすると、おっしゃるようにほてりや焦りが表れます。特に夕方から夜にかけて繰り返し原因不明の熱感を感じる事を「潮熱(ちょうねつ)」と言います。このような身体の変化のメカニズムを漢方では認めていますが、現代医学では問題にしないケースが多いように思われます。そのため、患者さんは漢方に頼る場合が増えるようです。

 夏カゼで身体がだるく・吐き気や頭重の場合、症状をとるための処方として「?香正気散(かっこうしょうきさん)」※注意1を勧めます。食欲不振・疲れやすくなかなか回復しない・下痢しやすい場合、体質改善として「桂枝人参湯(けいしにんじんとう)」を勧めます。

 痰のからまない乾いた咳の場合、症状をとるための処方として「滋陰至宝湯(じいんしほうとう)」を勧めます。体質改善として「麦味地黄丸(ばくみじおおうがん)」を勧めます。不眠や焦燥感・ほてり・足腰の無力感など漢方で言う「心腎陰虚」の症状がある場合「天王補心丸(てんのうほしんがん)」を勧めます。 いずれにしても、疲れた身体に刺激を与えて無理をさせる事は、そのときには切り抜けられても「陰陽」のバランスを崩してしまいます。疲れ切った馬にムチを当てるより、休養を与えるべきです。

※注意1
:「?香正気散(かっこうしょうきさん)」の?は、上が草冠、真中が雨冠、下がふるとり、です。

2003年7月30日NHK「ためしてガッテン」で紹介された漢方処方について。

放映以来、お問い合わせが殺到している「梔子柏皮湯(ししはくひとう)」「白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)」について、説明をさせていただきたいと思います。


Q1;アトピーや日光皮膚炎などに効きますか?

A1;単純に「必ず効く」とはお答えできませんが、患部が赤く腫れて熱を持っていて、強いかゆみを伴う場合に効果が高いと思います。色が黒ずんで厚くなっている場合には効果は薄いと思います。

Q2;どこで手に入りますか?高い薬ですか?

A2;中医研薬局にお問い合わせ下さい。できれば、患者さんご本人の状態を拝見したいと思います。ご予約の上おいで下さい。漢方薬の中では比較的安い部類に属します。中医研の近くには漢方に理解のある専門医が協力医として診療をしています。保険処方をご希望の方はご相談下さい。

Q3;どうして効くのですか?

A3;NHKでは、「かゆみ神経の成長を抑える」とか「免疫細胞T1を増やす」と説明しています。

漢方では「梔子柏皮湯」「五臓の腎の熱を冷まし、熱毒を尿の形で排泄する」としています。クチナシの実(栗キントンの色づけ)とキハダの皮(木曽の百草丸の成分)と甘草(醤油の成分)からできています。「証(しょう)」(体質)に合っていれば、どんな病名でも使うので、「二日酔い」にも「黄疸」にも使われます。

「白虎加人参湯」は「温病(うんびょう)」という概念で「衛気営血」という疾病の進化過程で「気」の位置で熱が高まった時に使う処方です.石膏という鉱物生薬を中心に知母(ちも)・粳米(こうべい)・甘草に人参(朝鮮人参)を加えたものです。「証(しょう)」(体質)に合っていれば、どんな病名でも使うので、「肺炎や脳炎による高熱」「糖尿病の口渇」「リウマチによる熱と痛み」「産後の発熱」などに使われます。

Q4;どんなことに気を付けたら良いでしょうか?

A4;漢方薬は、知識と経験の豊富な専門家に相談して服用するようにして下さい。また、あまり効果が見られなかったり、症状が悪化するようなら、現代医学の皮膚科専門医と相談する事も必要と思われます。

「水」を毎日2リットル以上飲めません。

Q:テレビなどで、毎日水を2リットル飲まないと病気になると聞きました。私は何日かやってみましたが食欲がなくなりやめてしまいました。漢方ではやはりそのようにしなければならないのでしょうか?(前橋市 Y子)


A:昔学校の先生に「水を飲みたくない馬に水を飲ませるのは難しい」と言われた事があります。意味は少し違いますが、人間は理屈が先行すると飲みたくない水も飲み、(もったいないと言いながら)満腹でも更に食べてしまうようです。「水」と言われたからと、真冬の寝る前、コップ2杯の水を飲んで、「夜に4回トイレに起きて辛い」という患者さんがいました。相手を見て物を言わなければならないと思います。

食事の時に暖かい飲み物を摂るのは、世界共通でした。ヨーロッパでも中国でも野菜のスープです。日本ではみそ汁です。そう言うものを摂って、適度な肉体労働をしていると水を飲みたくなるものです。その時にお茶にしていました。今の日本は水分を気持ち良く身体が欲しがるような条件が少なくなって意識的に「水」を飲むように勧めるところになったのでしょう。

喉が乾いても水分を飲みたくない人もいます。舌の色が淡く特に冷たいものを好まない場合は、陽虚という体質として「人参湯(にんじんとう)」を勧めます。舌の赤みが強く表面が乾いている人で冷たいものを飲みたがる場合、実熱・陰虚などの体質として「白虎湯(びゃっことう)」「滋陰降火湯(じいんこうかとう)」などを勧めます。

しかしなんと言っても困るのが、舌に苔と言ってヌルヌルが厚くついている患者さんです。身体を川に例えると川岸に草が生い茂りゴミがつまって流れが悪くなった状態です。きれいになりたいから水を飲みたいが、よどんでいるので飲めなくて、モヤモヤした状態になります。そういう患者さんは、日本古来の食事を少量を良く噛んで、適度な運動をして一度「川のどぶ掃除」をしなければなりません。そうすると、流れがスムーズになって気持ち良く水が飲めるようになると思います。漢方では「半夏(はんげ)」という薬草を使った処方がいくつかありますから、そのなかから選ぶか、「晶三仙(しょうさんせん)」という処方がありますからそれを飲むと、早くスッキリします。

身体の臭いが気になりますか?

いよいよ暑い夏がやってきました。そこで気になるのが、足や脇の臭いです。臭いを消そうと使った薬でかぶれる人もいますし、実際には正常範囲の臭いなのにそのことを異常に不安に感じてしまう「自己臭恐怖症」の人もいます。

漢方の立場から考えると、香りの良い薬草で口をゆすいだりする事もあります。ハーブでも有名な「薄荷(はっか=ペパーミント)」「フジバカマ」はその仲間です。

口臭の原因とされる舌の上の「苔」を、こすり落とす人もいますが、味を感じる部分を傷つける場合もあり、胃の働きが悪いという原因をそのままにしている点から考えると、するべきでないと思われます。苔が生じる原因は、身体の中の水のよどみであると考えられます。その原因は食べ過ぎだけでなく冷たい乳製品の摂り過ぎと思われます。規則正しく良く噛んで食事をし、暖かいお茶を飲むようにしましょう。「晶三仙(しょうさんせん)」はお勧めできます。

また、苔が全くなくなってしまう人もいます.。肉体的にも精神的にも過労が続くと「陰虚(いんきょ)」という体質になる場合があります。ドキドキして気持ちが焦り眠れない場合もあります。そう言う場合はゆっくり休むようにして、「天王補心丹(てんおうほしんたん)」を合わせると回復が早いと思われます。

ずっと便秘で悩んでいます。

Q:38才の女性です。高校生くらいから便秘気味になって、仕事についてからはずっと便秘で悩んでいます。市販の「ピンクの小粒」を飲むと下痢をしたりおなかが痛くなるので週末に飲んで一週間の便を出す癖がついてしまいました。漢方で毎日自然な排便ができるようになりますか?ポチャポチャ水太り冷え性でもあります。
A:よく、「快食・快眠・快便」等といいますが、毎日の事なのでどれがかけても不快なものです。便秘をする事で食欲も無くなり、イライラしたり、肩が凝ったりします。肌荒ればかりか高脂血症動脈硬化の原因になったりするとも言われています。たかが便秘、されど便秘です。

現代医学では、もともと薬草の中の腸の蠕動を刺激する成分を錠剤や粉・液体にしたものが使われていました。

漢方でも体質を考えないで、「便秘ならこの処方」と答えを出すのは、現代医学のものさしで漢方薬を使っているだけです。一般に良く使われている「ダイオウ」「センナ」は下剤ではありますが、からだを冷やす傾向があります。質問の患者さんがこれらの薬草を飲むと下痢をしたりからだの冷えが強くなり、いつまで経っても薬のお世話にならなければなりません。むしろ、朝に「防己黄耆湯(ぼういおうぎとう)」を、昼に「桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)」を、夜に「麻子仁丸(ましにんがん)」を勧めます。冷えの原因のよどんでいる体内の「水」を取り除いて、からだの温かみを増やして便秘の原因を解消するのです。自然な排便がすぐに来るとは断言できませんが、加減を繰り返し生活を整えていただければ、自己治癒力が発揮されて程々の所に収まると思います。

ところで、最近幼稚園から高校生に至るまで、便秘になっていて強い薬に頼っている患者さんが増えています。話を聞いてみると欧米的な食事をしている人が多いようです。学校でウンチはしたくないし、おなかが鳴るのが恥ずかしくて学校に行けなくなってしまうケースも良く耳にします。保険の効く薬草「ケツメイシ」は、炒ったものは香ばしくて麦茶のような味で抵抗無く飲めて小さい子供さんから気難しいお年頃の人たちにも人気があり便秘に効果があって、お勧めできます。

いずれにしても、日本の伝統食(ごはん・みそ汁・漬物をベースにした)をして、早起きして散歩してゆっくりトイレに座る習慣をつければ、自ずから解消されると確信しています。

第四回 いきの集い に参加して

中医研薬剤師 井上正文

 毎年5月の3・4日に、奥秩父の三峰神社で行われる、「いきの集い」に参加してきました。今年で3回目の参加です。この会は、秩父市内で開業されている漢方も治療に使われている医師の大友一夫先生が声をかけて「粋な」「息」をしている「偉器」を紹介する会です。西式健康法の甲田先生や川越の帯津先生を招いてお話を伺っていました。今回は、発声練習から合唱・ヨガ・合気道・気功と座禅などの実体験を積めるカリキュラムで、3日の午前10時から4日10時まで断食をしました。群馬中医研関係者は19人でした。

 私は今回二つのことが印象に残りました。ひとつは、座禅を組むときに、後頭部を引き上げて、肩の力を抜いて、丹田に気を沈めて、肛門を締める、というところまではしましたが、前回教えてもらったみぞおちを緩めるというのがまだうまくできていなかったことです。これから身に付けようと思いました。

 もうひとつは、断食です。毎回、2日前からいつもの半分の量をよく噛んで食べるのですが、イライラして辛いものがあります。ところが、断食のあと復食と言って普段の三分の一くらいずつ食べるのですが、そのころになって全く逆に「空腹の快感」がやってきました。「次に食べなければもっと気持ちのいい空腹感が味わえるのではないか?」と湯茶を飲んでいました。二週間で以前の半分くらいの量で落ち着きました。何かを食べて健康になろうと考えるより、邪魔なものを入れないと軽やかないのちの動きが感じられると感じました。

 中国医学の基本は自然からエネルギーを取り込んで健康になろうという姿勢ですが、日本に古くからある断食はそれを遥かに超えるエネルギーを持っていると感じました。「老荘思想」とも結びつく不思議な感覚です。また、来年も参加したいと思います。希望の方は、ご連絡下さい。また、この会の講師の浜田昭三先生を11月8日に中医研に迎えて講演を企画しています。「子供と大人の眠っている能力を目覚めさせる」というようなテーマで(まるで自己開発セミナーみたいですけれど)素晴らしい魂を揺さぶられるような体験ができるひと時と考えています。ご期待下さい。