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前立腺肥大症によい漢方を教えて下さい?

Q:当方63歳になる男性です。昼間の頻尿・残尿感と夜も2〜3回の排尿で眠りが妨げられています。排尿後の余瀝もあって、泌尿器科に受診したら
「前立腺肥大症」と診断を受けました。内服薬が出ましたが、思ったような効果がないので悩んでいます。漢方で良い方法はありますか?(高崎市T義)



A:バス旅行などで、トイレに行ってなかなか出始めなくて、終わりがタラタラでしまえなくて、他のひとがどんどん変わっていって、恥ずかしい思いをした人もいると思います。症状が進むと、一旦出たくなると一刻の猶予もなくなってしまうので、バス旅行にも参加できないという人もいます。同じような症状でも「前立腺がん」の可能性もありますから、一度は必ずはずかしくても専門医に相談してください。(欧米では5人に1人はこのがんにかかるといわれています。)さて、お薬を出されたが満足する効果が得られないということですが、
αーブロッカーというお薬のほか抗男性ホルモン剤など何種類かお薬がありますし、簡単な手術もありますから、主治医の先生とよく相談してください。
漢方薬では、第一選択として
「六味丸(ろくみがん)」系のお薬をお勧めしています。夏に半そでになり、冬にはセーターを着るように、春夏に「六味丸」を、秋冬に「八味地黄丸(はちみじじおうがん)」を勧めています。しかも、夜何度も起きる人には、朝昼にしっかり湯のみ2杯のお湯といっしょにのんでいただき、夕方は休みます。利尿作用が夜に働き過ぎないようにするためです。ただ、これだけでは、歯が痛いときに痛み止めを飲むようなものです。漢方では体質=「証(しょう)」から、バランスをとって自己治癒力を高める試みをします。多く見られるのが、疲れやすく元気がなくなった、昼食後眠い、舌の引き締まり方が弱い、などという患者さんは、気虚(ききょ)という体質です。「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」を合わせると、効果が増強しているようです。また、唇の色がきれいなピンクでなく、黒ずんでいる。身体を動かすのがおっくうだ。足腰が痛くなりやすい人は、お血という体質で、血液の流れがサラサラしていないと考えられます。「冠元顆粒(かんげんかりゅう)」というお薬が、中国から輸入されています。中国では、冷えの強い頻尿に「縮泉丸(しゅくせんがん)」を使ったり、体の疲れやすい人の頻尿に「桑票蛸散(そうひょうしょうさん)」を使ったりして効果を見ているようです。日本ではせんじ薬になるでしょう。これらの処方に使われる薬草の中に,覆盆子(ふくぼんし)というものがあります。これは、バラ科のゴショイチゴ・クマイチゴの実を干したものですが、盆子(しびん)に覆いをする(ふたをする)という意味で、昔の人のこの薬草に対する思いが伝わってきます。
いずれにしましても、
お酒や香辛料を控えて、長い時間立ち続けや座り続けを避けて軽い体操(特に脚の付け根を動かす)、お小水を我慢しないなどの習慣を30才代から心がける必要があります。そして、予防として自覚症状に心当たりのない人も、老化防止に飲んでおく事をお勧めします。


漢方薬を長く飲み続けても大丈夫ですか?

Q:私は、血圧が高いようなのですが、病院の薬は飲みたくないので、漢方薬を続けて飲んでいます。
女房は、冷え症で、子供は鼻炎でやはり漢方薬を飲んでいます、友人にいくら
漢方薬でも副作用があるから気をつけろと言われました。心配ないですか?(新田郡Y郎)



A:私が多感な高校生の頃、世の中でスモン病が話題になりました。
下痢を治すはずの薬で、歩けなくなったり、目が見えなくなったりしました。
それで、食べ物や運動で病気の予防や治療が出来れば良いなと考えました。

ドイツに発した、分析的な現代医学は自然を克服して下水道の整備などで感染症を減らす一方、抗生剤やステロイド剤・外科手術の発展を中心に人類の健康に寄与してきたといわれています。しかし、その一方で、自然の流れに沿った医療体系が、古い日本や東洋・先住民のなかに伝えられてきています。
たとえば、いくら辛い症状を訴えても、検査結果に異常が出てこないので取り合ってもらえないと言う話をよく聞きます。
実際は漢方的見地からすると体質の大きな歪みがあって、お薬を勧めた結果、治るケースも多く見られます。
現代医学一辺倒より2つの医療がお互いの長所を出し合って、患者さんの苦しみを軽減するように努力していけたらと思っています。


まず、現代医学の薬は、より力のあるものを研究・開発するのに対して、
漢方は自然にあるものなので、そのレベルでは安心です。いま、流行の「ウコン」「トチュウの樹皮」などもその仲間です。「トリカブト」という毒草を薬に変える技術も、近代科学の知識のない昔の人は智恵として編み出し活用してきました。しかし、今や「米」までにアレルギーを持っている人も増えてきていますから、簡単に自然だからと言ってすべて安心は出来ないと思います。

結論を言うと、
私は漢方薬は長く飲み続けたほうが良いと思っています。それは、降圧剤を長く飲むという発想でなく、医食同源の考え方から、「ごはんで足りない部分を補う」という発想です。そこで大切なのは、自分の体質の歪みを調整する舵取りをするのに最適な漢方薬を選び、持薬として続けることです。
しかも、夏には半そでで木陰で涼み土用にうなぎを食べ、冬には囲炉裏を囲んで冬至にかぼちゃを食べるように、季節によっても漢方薬は変わってきます。
信頼できる漢方の専門家に、相談してみてください。


ダイエットと漢方について教えて下さい。

Q:わたしはもともと太る体質で、かなり気を付けていないと、あっという間に太ってしまいます。出産を2回していますが、そのたびに5〜6キロ太ってしまいました。疲れやすく少し動くと汗をかき息切れがします。身体がだるくて、気分が憂うつです。週刊誌で知ったダイエット食品をいくつも試しましたが、結局、始める前に戻ってしまいます。漢方でなにか良い方法はありませんか?(子持村Y江)



A:自分の思い通りにならないと、つい食べ物に手が行き衝動的に食べ続けてしまう。そして、そうしてしまう自分に無力感を感じてしまう。そういうご質問ですね。けっこう、わたしなんかも、始終食べ物を探していることがあります。そんな時は、SOSなんだなと気が付かせてくれるきっかけと思って、自分がホントにやりたい事はなんだったのか振り返るチャンスと考えるようにしてます。温泉に行ったりカラオケに行ったり気晴らしをする事もあります。それでも乗り越えられない時は、気の合う精神科医やカウンセラーや自助グループを、時間をかけて探してみてください。きっと、良い友人に巡り合えることでしょう。
 太るのには原因があります。分かり切った事ですが、食べ過ぎと運動不足などです。特に、何を食べるとやせるかということは、テレビの番組でもよくやってます。食べ方はあまり、注目されていませんが、重要と思います。規則正しい食事(食事をとる時間を変化させすぎない・寝る前3時間は食べない)食べる事に集中する(歓びと感謝を込めて命をいただく・テレビを見ながら食べない・一口50回噛む)などです。
 漢方では、クヨクヨ・イライラしやすくて、気分が憂うつな場合「星火逍遥丸(せいかしょうようがん)」が第一選択です。衝動的に食べ物に手が行くのを減らしてくれます。また、少ししか食べていないのにポチャポチャ太っていて、舌の形は引き締まり方が弱くて、表面に白いヌルヌルが付いていれば、「香砂六君子湯(こうさりっくんしとう)」を勧めます。胃腸の機能を高め消化・排泄能力を発揮して、体内によどんでいる余分な「水湿」を取り除き引き締まった身体にしてくれます。また、ご相談の「ムクミ・多汗・息切れ・だるさ」には、「防己黄耆湯(ぼういおうぎとう)」と言う処方が、勧められます。舌は引き締まり方が弱い場合が多いようです。皮膚組織の水分代謝を活発にし、利尿してダイエット効果を表します。更に脂肪分解を促進する「三爽茶(さんそうちゃ)」のようなダイエット茶を併用すると、より効果的のようです。便秘気味の人には「防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)」を勧めます。通便・利尿・発汗などの方法で、新陳代謝を促進してダイエットに結びつけてくれます。また、生理の時に痛みが強かったり、レバーのような血の塊が出て、唇の色が暗い場合は、血のよどみがダイエットを邪魔しているとして「弓帰調血飲(きゅうきちょうけついん)」を併用する方法も意義があると思います。
いずれにしても漢方には、「これさえ飲めば、だれでもあっという間に10キロやせる」などという強引なダイエットでなく、あくまで、患者さんひとりひとりの体質のバランスを整え、自然な健康体になっていただくのが、その独特な考え方なのです。

毎年アレルギー性鼻炎で悩んでいます。

Q:15年ほど前から、春だけだったのが5年ほど前から秋も、そして最近は一年中鼻が痒く、くしゃみが出て昼は鼻水夜は鼻詰まり・季節によって、眼のかゆみのどの痛み・時には発熱もあります。先日、テレビで、お茶の種類について効果があるような番組があったので漢方を思い出して、なにか効くものがあったら教えてください。



A:厳しい鼻炎の症状で、仕事にも日常生活にも支障があるようですね。また、受験期の子供さんもいらして、眠くならないお薬を探されているとの事です。テレビや週刊誌で、「漢方」といって、お茶が勧められています。実際、それで効果を見る人もいるのですから、止めはしませんが、その程度で治ってしまう人は、それ以前に治っているかもしれません。確かに薬草の一種ですから消炎・抗アレルギー作用も見られるでしょうが、それを一種類だけ誰にでもひとつの症状に効くように勧めるのは「民間薬」も考え方です。「漢方薬」はその人の症状から原因としての体質のゆがみを探り当て、数種類の薬草を有機的に組み合わせたものです。

たとえば、寒さを防ぐだけなら布をまとえば良いでしょう。出来合いの服で間に合う人はそれで良いでしょう。でも、すそやそでの長さや大きさが合わないと機能的ではないし、気に入った形や色のものも着たいです。それには、クライアントに最適なデザインをアドバイスをしてくれるデザイナーさんが必要になってきます。それが、漢方の専門家なのです。

さて、この患者さんは、症状が長いので、「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」を続けて飲む必要があります。同じ空気を吸っていて、他の人は症状が出ないのですから、その人の「衛気(えいき)」(現代医学で言う免疫力)が弱いのです。その上で症状を抑えるために、くしゃみ・鼻水には「小青龍湯(しょうせいりゅうとう)」を、鼻水・頭痛には「葛根湯加川弓辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)」ですが、あくまでも、症状の一時抑えであって、長く飲んで体質改善になるとは思えません。また、鼻詰まりには、保険範囲では「辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)」「エンビ」を勧めます。目のかゆみには菊のつぼみを煎じる方法がありますが、最近飲み易い粉になったものが輸入されたようです。のどの痛み・発熱には、保険範囲で自信を持ってお勧めできるお薬がなくて、中国の「銀翹解毒丸(ぎんぎょうげどくがん)」をお勧めします。

余談ですが、最近、若い人の中に(私も含めて)体質の弱い人が増えています。アトピー性皮膚炎・ぜんそくといった症状もそのひとつですし、がんや不妊症もそのひとつと言えるでしょう。患者さんが心がけられることといったら、(どこかに特効薬があってなんでも病気を治してくれるという幻想を捨てて)食生活や運動・睡眠・ストレスなどを調整することと言われて久しいです。しかし、社会全体として環境の汚染を止めない限り、難治性の疾患は減ることはないような気がしてならないのは私一人でしょうか。

むくみがひどいのですが・・・

Q:わたしは、事務仕事で座りきりのことが多く、夕方になると手足が浮腫んで困っています。夜、水分を取ると朝には手がグローブのようになっています。普通に水分を取っているのに異常にトイレに行く回数が少ないです。何か良い漢方薬があったら教えてください。



A:むくみでお困りとのことのようです。病院へ行って辛さを訴えても、検査結果に異常がないと、気のせいにさせられて、どうして良いかわからないことってありますよね。遠慮なく漢方に相談してください。漢方では、症状があれば、必ず体質のゆがみのような原因があってそれを治せば、身体のもともと持っている自然治癒力が働いて症状も楽になると考えています。

漢方では、むくみは五臓六腑の「心」「脾」「肺」「腎」から来ると考えています。「心」の場合、動悸・息切れなどがあり、足がむくむ事が多いです。真武湯(しんぶとう)人参湯(にんじんとう)を合わせます。舌や唇の色が悪ければ、血液をサラサラにする冠元顆粒(かんげんかりゅう)を合わせます。「脾」の場合は食欲不振や食後眠くなることがあり、全身がむくみます。参苓白朮散(じんりょうびゃくじゅつさん)が第一選択ですが、日本にないので六君子湯(りっくんしとう)を勧めます。

「肺」の場合は、風邪を引きやすかったり汗をかきやすかったりして全身ですが特に下半身がむくみます。防己黄耆湯(ぼういおうぎとう)を勧めます。「腎」の場合、尿量が少なかったり腰が痛かったりします。顔がむくんだり下半身がむくんだりします。八味地黄丸(はちみじおうがん)五苓散(ごれいさん)を勧めます。お尋ねのK江さんはまず、「腎」を疑ったらいかがでしょうか?

また、慢性肝炎で腹水がたまったり、乳がんや子宮がんの手術後で手や足がむくんでしまうケースも見られます。かなり難しいですが中には経過のいい方も見られますので、漢方を試してみるのも副作用の少ない生活の質を高める方法かと思います。

風邪を引くと、乾いた咳だけが残り・・・

Q:5年前から寒い時期に風邪を引くと、乾いた咳だけが残り、夏が近づくまで続きます。いろいろな病院に行って、ありとあらゆる薬を試しましたが、副作用で便秘になったり胃をやられて食べられなくなったりして困っています。漢方の「麦門冬湯」を勧められて飲んでいますが効果がありません。効果のある漢方薬はありますか?



A:たんの絡まない咳が長く続いてお困りの様子ですね。現代医学では、気管支拡張剤痰の溶解剤などがよく使われますが、こういった症状にはなかなか効果が見られず、漢方でうまく回復している人を見ていますから、希望を捨てずに試してみるのがよいと思います。

 何度も言うようですが、漢方では同じ咳でも痰が絡むかどうかでまったく別の処方を使います。私は患者さんから相談を受けると目の前で「咳の見本」をしてもらいます。漢方では「聞診」といって耳で聞いた情報も大切にします。こういった痰の絡まない咳には「小青龍湯」は効果がないばかりか反って悪化する場合もありかねません。

「麦門冬湯」は「滋陰潤燥剤」に分類され、五臓六腑で言う肺と胃の「陰(うるおい)」を補います。しかし、漢方で言う「表」と「裏」では、「裏」に偏っています。むしろ、「養陰清肺湯」のほうがより効果があるようです。これは、残念ながら保険適応ではありませんが、自費で「清肺治喘丸」として輸入されています。

さらに、「軽宣潤燥剤」に分類される「清燥救肺湯」「沙参麦門冬湯」のようなせんじ薬で驚くような効果を上げています。これらのせんじ薬の中には、桑の葉が含まれています。昔の人の知恵と自然の力に本当に頭が下がります。一度お試しになるのをお勧めします。

「朝鮮人参」を勧められています。

Q:友人から「朝鮮人参」を勧められています。普通五万円のところ三万円で良いといいます。病気になると、収入もなくなるし、入院すればお金が掛かるから、保険に入るより病気をしないことだといわれると、一ヶ月三万円も高くないような気がします。専門家の先生はどう思いますか?



A:健康に良いからとお友達から「朝鮮人参」を勧められているというお話のようです。私が一番気になるのは、あなたが「朝鮮人参」を必要とする体質かどうかということです。主に「朝鮮人参」「肺脾の気を補う」と言い、性味は「甘・微苦、微温」と言います。

しかし、臨床では、なかなか力のある薬草なだけあって使い方が難しいと思います。例えば、ほてり易くセカセカし易く毎日忙しく働いている人が「疲れやすい」といって、舌の赤みが強く脉も強く早い場合、「気」が足りなくて疲れているのでなく「陰」が足りなくて疲れている可能性の方が強いのです。ストーブの上に掛かっているやかんの水が少ないときに、もっと火を強くしてはいけません。火を弱くしたり水を足してやったりのが正しいのです。黄連解毒湯六味丸を使うべきです。

現代社会では、二千年前の社会と違って、地球の温暖化・暖房の発展・酒類や高カロリー食の摂り過ぎ・ストレスなどの影響によって、「陰」のバランスが足りなくなっています。現代人の体質も体内に熱がこもりやすく、津液(しんえき=身体に有用な水分)を保つ力が弱くなって、まるで身体の中が砂漠のように熱し易く乾きやすく冷え易い状態になってしまっています。 それでは、砂漠を森にするにはどうしたら良いでしょう?それは、ゆっくりと呼吸しゆっくりと歩きゆっくりと食べる事です。急げば急ぐほど足りなくなります。

一ヶ月三万円が高いかどうかより、必要かどうかだと思います。信頼できる漢方の専門家に相談してみてください。

からだ全体が寒くてしかたありません。

Q:夏でも冷房のあるところでは、辛いのですが、冬が近づくと憂鬱になります。手足の先が冷えて、氷のようになってからだ全体が寒くてしかたありません。もちろん、お風呂に入ってすぐ寝るようにしていますが(ベットは電気敷き毛布で暖めていますが)靴下を履いても芯から冷えて眠れません。病院で「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」を貰って飲みましたが効きませんでした。町の薬屋さんで「麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)」を勧められて買いましたが、飲むとのぼせて続けるのが怖くなってやめました。アドバイスして下さい。



A:冷えで悩んでいる人は多いようです。手足の先が冷えたり、この方のように芯が冷えたり中には頭が冷える人もいます。

基本的には食べ物を工夫して温めます。熱の発生源を増やすには米やうどんなどがパンよりも多く採れるようです。漢方では、葱や生姜は身体の表面を暖める食べ物として特に風邪をひきそうな時などに勧められています。芯を暖めるには羊の肉が勧められていて、当帰と言う薬草とスープを作ります。また、運動面では基礎代謝を高める事で(内臓の脂肪をはじめ余計な皮下脂肪も燃やしてくれるので)体温が上がりますから、少なくとも一日に30分以上は速歩で歩きたいものです。(1時間テレビを見るのは簡単ですが)また、最近はかわいい厚手のパンツやおしゃれなババシャツなども流行っているようですから、寒くないようにしっかり着て下さい。

「当帰芍薬散」も良いですが、保険の利く処方では「温経湯(うんけいとう)」を試したらどうでしょうか?また、「麻黄附子細辛湯」は、中国では一時的な風邪を引くようなときの冷えに使い、ずっと使う薬ではないと考えられています。腰が冷えたり痛い人で頻尿の人には「八味地黄丸(はちみじおうがん)」を勧めます。

私はこのような冷えの患者さんに「参茸補血丸(さんじょうほけつがん)」という処方を勧めて喜ばれています。人参・鹿茸(ろくじょう)・枸杞子(くこし)杜仲(とちゅう)といった自然の高貴薬が豊富に含まれていて、身体を芯から温めてくれるばかりかホルモンバランスを整えてくれて、身体の中から健康美が得られると評判です。身体の疲れが取れて元気になるので、いきいきはつらつと動けて若返ったと喜ぶ声を聞いています。

情緒不安定になって悩んでいます。・・・

Q:情緒不安定になって悩んでいます。精神科に行くほどじゃないと思うのですが、怒りっぽいかとおもうと、気持ちが落ち込んで朝起きるのさえ嫌になることが毎日です。のぼせはあまりないのですが、肩は、人が触ると驚くほど凝っていると言いますが、自分では感じません。夜の寝つきはいいのですが、途中で目が醒めるとそのあとなかなか眠れずにうとうとする事が多く夢も多いです。生理のほうはまだ順調です。



A:イライラしたり、気力が出なかったり、ご本人が、更年期と言えば、そうなのでしょう。精神科に行けば、合ったお薬を出してくれるか、ホルモン補充療法を婦人科にいって受けるように言うかもしれません。ホルモン補充療法で良くなる人は良いのですが、まれに動悸やのぼせが出て医者を困らせる患者さんもいます。また、あまり人工的な方法を好まない患者さんもいます。そういう場合は漢方の方法を試してみるのも方法だと思います。

特に舌の色や表面の荒れている状態が正常範囲なら、「逍遥散」を朝と昼の食前に飲んで、「帰脾湯」を夕ご飯の前と寝る前に飲むと良いでしょう。舌の先が赤くてイライラが苦になれば、「加味逍遥散」と「加味帰脾湯」をお勧めします。また、舌の表面に白いヌルヌルが厚くついて、特に雨の前などに重だるいようであれば、「帰脾湯」の代わりに「竹如温胆湯(ちくじょうんたんとう)」をお勧めします。舌の色が赤くヌルヌルが剥がれていれば「酸棗仁湯」を勧めます。

また、肩こりがひどいようで、舌に白いヌルヌルがついていれば、「釣藤散」を。舌の苔がないのなら、「抑肝散」を勧めます。

中国の漢方薬の場合、漫然と続けるより、症状に合わせて少しずつ処方を変えることによって、たくさんある不快症状がだんだんに良くなるケースが多いようです。一人で悩まず、経験のある医師や薬剤師に相談して下さい。

漢方は継続するとなぜ効果が現れるのですか・・・

Q:漢方薬は、長く飲んでいると、不思議に効いてくると聞きますが、どうして効くのかわかりません。教えて下さい。



A:自然の中には,いろいろな働きを持っている植物や動物があります。人間が自然 のホンの一部である以上、人間は自然によって癒されると考えられます。科学的技術 がなくても、ヒトは常食できる物と薬にはなるが常食しない物の区別を経験の中から知 恵として身に付けてきました。そばや刺身を食べる時の「薬味」はそういうところから来ているようです。たとえば、せんぶりと言う薬草は千回振り出してもまだ苦いと言うところから名付けられました。

甘い物や冷たい物の飲み過ぎ食べ過ぎで胃の働きが低下した時にその苦味で胃の働きが正常化することに気が付いたのです。胃の不快な感覚をすっきりさせたり、痛い所があれば痛みを感じなくさせたりするだけでは、解決にならないだろうと思います。(時には、耐えがたい痛みを感じなくさせるしか方法のないこともありますが。)

漢方では痛みの原因が「気の流れが悪いとか」「血の滞りがある」などと患者さんからの情報を統合して考えて、そこから治していきます。身体が疲れたときに、一時的に興奮させて疲れを感じなくして擦り切れるまで働かせるのか、疲れが身体のどんな形の消耗が原因なのかを見極めてそこを補うのが漢方のやりかたです。言い方を換えれば,自然を支配しようとするのでなく、基本的に自然に寄り添っていくような考え方と理解しています。

メカニズムについては、最近大変な発表があって,ある種の漢方薬に「遺伝子の発現」のための条件を変える働きが確認されました。京大名誉教授の家森先生によって、「高血圧マウス」の高血圧の発症を抑える働きが確認されたのです。漢方は、のぼせ・イライラ・不安・不眠などを中心とした更年期障害症。膠原病・がんなどの難治性疾患。生理障害・不妊症などの婦人科疾患。鼻炎・ゼンソク・アトピーなどのアレルギー性疾患などに期待が高まっています。一定程度症状が収まったら、持薬のようにして服用を続けるのも、再発を防ぐと言う重要な意味があると思います。